日本ではあまり馴染みのないバター茶、どのようなお茶だと思いますか?
緑茶にバターが入ったもの?紅茶にバターが入ったもの?と名前だけでは想像がつかないですね。
市販でも販売されているものをみたことがないのではないしょうか。
そんなバター茶ですが、水分や脂肪分、塩分と熱量などを効率的に吸収することができ、
体力をよく使っている人や疲れがちの人、とにかく元気になりたい人などから注目を浴びています。
ネットでは自宅で美味しいバター茶を作る方法なども紹介されるようになってきました。
「そもそもバター茶ってなに?」
「名前からするとあまりおいしくなさそうだけど、実際どうなんだろう?」
「バター茶を飲むと、どんな風に身体にいいのかな?」
など、バター茶に関する様々な意見や疑問が出てきます。
世界の飲み物は本当にたくさんの種類があり、日本人は緑茶などがメジャーですが、
他の国でもよく飲まれているお茶が多数存在します。
その中でもバター茶は、おいしい上にや良い面も多いので、ぜひこれから日本の方にも飲んでほしいひとつです。
今回は、バター茶について詳しくご紹介していきます。
世界のお茶に興味のある方、バター茶を飲んでみたい人、栄養のある飲み物を飲みたい人など、
様々な人の参考になれば嬉しいです。
バター茶とは

まずは、あまり馴染みのないバター茶について詳しくご紹介します。
どこの国で飲まれているお茶なの?
バター茶は、チベットやブータンなどのアジア中央部で親しまれているお茶です。
日常から飲まれているのですが、その中でも遊牧民の人々が良く飲んでいます。
チベットやブータンなどの地域は、一般に乾燥した気候で日差しが強い場所です。
標高により気温が異なりますが、標高が高ければ寒冷・乾燥している地域となります。
標高が低い地域では温暖で雨量も程よい地域です。
チベットの首都ラサは、標高3,300メートルに位置しており、人々の大半は標高の高い地域に住んでいます。
なんだか日本と違う雰囲気を感じますが、実は日本と同じように四季がある国です。
また、遊牧民の多くは標高の高い地域に住まなければならず、高い土地では茶の木が育ちません。
そのため、バター茶の葉は中国から輸入したものを利用しています。
乾燥した地域なので、体内の水分や体力も失われがちです。
そこで、脂肪分や熱量、塩分を豊富に摂ることができるバター茶がよく飲まれるようになりました。
バター茶は何からできているのか?
バター茶は、まず中国から輸入したお茶の葉を移動時にも持ち運びできるように干し固めます。
そして飲む際に、ヤクの乳からできた「ギ―」(固形化しています)と呼ばれるもの、
そしてヤクの乳からできたバター、さらに岩塩を加えて、撹拌により脂肪分を分散させて作ります。
チベットの人は、バター茶を「ス―チャ」と呼んでおり、この作り方以外のお茶をチャタンと呼んでいます。
どのくらいの量を飲んでいるの?
バター茶を日常的に飲む人々は、朝から晩まで何杯も飲みます。
少なくても1日10杯、多い人では50杯飲む人もいるのです。
体力回復や身体を温めるために、移動しながら途中途中で休憩中に飲まれているお茶です。
乾燥した地域なので、唇が乾燥してしまうのですが、バター茶を飲むことで脂肪分が唇につき、
リップクリームのような役割を果たしています。
バター茶の味~おいしい?まずい?

1日10杯以上も飲まれているお茶、とっても美味しいのではないのかと思いますよね。
しかし、美味しいと感じるのは個人差があるようで、好きな人と嫌いな人に分かれます。
日本の「お茶」とはかけ離れている味から、「苦手だ!」という人も多いようです。
味は、濃厚なバターとミルクの味でほんのりお茶の香りがします。
ミルクティーのような甘さはなく、どちらかといえばしょっぱい塩味が効いていて、
後味は少し苦く、初めて飲んだときには不思議と感じる人が多いようです。
慣れると病みつきになる人もいて、「美味しい!」と感じるかどうかはあなた次第です。
バター茶の6つの効果と効能~ダイエットや便秘改善効果はどう?

バター茶に秘められた身体によい効果とはどのようなものがあるのでしょうか?
バター茶の中には、ミネラルやビタミンも含まれているのですが、
お茶の成分であるカテキンが多く含まれています。
カテキンには身体によい作用がたくさんあるので、ご紹介していきます。
抗酸化作用
カテキンは、毒性を持っているスーパーオキシドや一重項酸素を無毒化する作用があります。
人間はもともと体内で起こる酸化を抑制する働きがあるのですが、
20代をピークにだんだん落ちていき、年齢を重ねるごとに減っていきます。
抗酸化作用に効果的な食べ物を食べることで、廊下や病気の予防に役立つのです。
コレステロールを下げる効果
カテキンは、食事中において、コレステロールの吸収を抑えて、
さらに体外への排出を促す働きもあります。
コレステロールには悪玉菌と善玉菌があるのですが、悪さをするのは悪玉菌です。
悪玉菌が増えると、動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まってしまいます。
カテキンは、善玉菌には影響せず、なんと悪玉菌だけ低下させる効果をもっているのです。
コレステロールを下げるので、病気の予防にも繋がります。
血糖値の上昇を抑える効果
人間は食べ物を食べると、腸からブドウ糖の吸収を行います。
食後に血糖値の高い状態が続くことを高血糖と言い、糖尿病などの合併症を発症するリスクがあるのです。
―参照 高血糖とは 食後高血糖~血糖値パターン~|知りたい!糖尿病よりー
血糖値が急激に上昇すると病気のリスクも高まるのですが、カテキンを食前から摂取することで、
腸からブドウ糖を吸収するスピードを緩やかにすることができます。
虫歯や口臭の予防

口臭は、口に残っている虫歯菌などの汚れによるものです。
虫歯菌(ミュースタンス菌)は、歯にくっつき、歯のエナメル質を溶かしていきます。
カテキンは、虫歯菌の増殖を抑える働きがあり、虫歯予防にも繋がるのです。
虫歯や歯石などが予防されることで、口臭の予防にも繋がります。
肥満の予防
カテキンは肝臓の脂質代謝をあげる働きもあります。
摂取し続けることで効果を発揮し、脂肪の燃焼を上昇させるので、肥満予防に繋がるのです。
ダイエット効果までとは言えないかもしれませんが、肥満予防に繋がるので、
日頃からジュースなどでなく、カテキンの含まれたお茶などがよいのですね。
バターは潤滑油になる
脂肪分が多いので肥満や便秘などが心配になります。
しかし、身体の脂肪分に近いバターなどの脂質をしっかりと摂取することで便秘改善に繋がります。
食物繊維だけ食べていても、根菜類などは消化しきれず便が硬くなってしまうこともあります。
身体に吸収されない油はそのまま便として排出されるので、つるんと出やすくなるのです。
過剰摂取はおすすめできませんが、便秘に悩んでいるのであれば、試してみる価値はあります。
バター茶のカフェインはどれくらい?妊娠中の妊婦は飲んでも大丈夫?

バター茶に含まれるカフェインの量
バター茶には、100g当たり、8.85㎎のカフェインが含まれています。
コーヒーに含まれているカフェインは100mlあたり60㎎ほどですので、
コーヒーに比べると7分の1ほどの量が含まれています。
妊娠中のカフェインの量の目安は、100㎎以内であれば問題ないと言われています。
そのため、バター茶で換算すると、1杯を200mlとして5~6杯は飲んでも大丈夫ということになります。
歯のフッ素症の問題がある
カフェインだけで見ると妊婦さんにもおすすめなのですが、健康問題も上がっています。
バター茶の団茶により、歯のフッ素症の健康障害の原因が中国の研究で明らかになりました。
チベットのナクチュ県では、子どものフッ素症率が80%を超えていて、
その原因が約85%はバター茶であると判断されたのです。
飲みすぎはフッ素症になる確率が上がってしまうので、1日数杯を目安に飲んだ方がよいでしょう。
バター茶のいれ方、作り方とおすすめの飲み方

バター茶の本場の入れ方は、ドンモと呼ばれる大きな撹拌機が必要となり、
日本において作るのは難しいようです。
そのため、日本では、電動シェイカーややミキサーなどを使って作られています。
プーアル茶のティーパックを使ったバター茶
<材料>
・プーアル茶 1ティーパック
・水 300㏄程
・バター 小さじ1
・牛乳(濃いめがおすすめ) 50ml
・塩(岩塩だとさらに良し) 小さじ3分の1
<作り方>
1.水を鍋に入れて沸騰させます。
2.ティーパックを入れて、お茶が出たら一度取り出し火を止めます。
3.牛乳とバターを入れて溶かします。
4.ハンドミキサーを使ってさらに混ぜて撹拌させ完成です。
栄養満点!ちょっとアレンジをきかせたバター茶
<材料>
・牛乳 250㏄
・バター 小さじ1
・はちみつ 少々
・塩 ひとつまみ
・あらびき胡椒 少々
・紅茶 1ティーパック
<作り方>
1.牛乳をマグカップに入れて電子レンジで温めます。
2.牛乳にティーパックと他の材料を全て入れてかき混ぜたら完成です。
本格的なレシピではありませんが、日本人の口にあうようなバター茶の作り方をご紹介しました。
ヤクのミルクやバターなどはなかなか手に入らないので、本場で飲んでみたいものですね。
ほんのり甘さを足している人が多く、はちみつやお砂糖をちょっと入れるとまた美味しくなるようです。
ぜひ自宅でも作ってみてくださいね。
バター茶は楽天やamazonで買える?

バター茶の茶葉やヤクのバターなど、現在ネットでは販売されていません。
チーズは稀にみかけますが、本場のバター茶を日本で味わうのは難しそうです。
大手の楽天やAmazonでも見かけませんでした。
日本で飲む場合には、牛乳やバターなど市販のものを使って、バター茶に近い味を楽しんでみてください。
まとめ

チベットやブータンなどで1日に何杯も親しまれているバター茶。
遊牧民や地域の気候に合った飲み物であることが分かりました。
日本でも寒い時期や体調管理におすすめできる飲み物です。
自分好みの味に調節しながら、そして広い草原を想像して味わってみましょう。