日本だけでなく世界中には驚くほど多くの種類のお茶が存在しています。
緑茶や紅茶、コーヒーやハーブティー、健康茶、ウーロン茶、プーアル茶などまだまだたくさんあります。
日本にも海外が原産であるお茶がたくさん輸入されおり、ペットボトル飲料としても販売されているので、手軽に様々な味わいのお茶を楽しむことができるようになりました。
皆さんが好きなお茶は何ですか?
最近はおにぎりや日本食に紅茶も合うと言われ、甘くない紅茶も人気を集めてきていますね。
紅茶ひとつにとっても、種類によって味わいが違うので、好みが分かれる場合もあります。
紅茶のひとつにアッサムという紅茶がありますが、飲んだことはありますか?
「アッサムってどんな紅茶?原産国はどこ?」
「アッサムティーの効能や効果について知りたい!」
「アッサムのおすすめの入れ方は?やっぱりミルクを入れる?」
アッサムという名前はなんとなく聞き馴染みがありますが、実際に味を想像できる人は多くないでしょう。
紅茶といえば、ダージリンやアールグレイ、セイロンティーなどが主流で、どちらかというとアッサムはマイナーな紅茶です。
今回は、アッサムに焦点をあてて、詳しくご紹介していきます。
アッサムの原点となる歴史や味、また身体にもたらす効果や効能、おすすめの飲み方や、市販のアッサムなど、アッサムに関する様々な情報をお届けしていきます。
紅茶が好きな人、海外のお茶に興味がある人、アッサムを飲みたい人や好きな人、いつもと違った紅茶を飲んでみたい人などの参考になれば幸いです。
アッサムとは

まずは、アッサムについて詳しくみていきましょう。
アッサムの原産国
アッサムは、インドのアッサム地方でつくられる紅茶の総称です。
インドの北東に位置するブラマプトラ河の西岸に広がっているアッサム平原は、世界有数の雨量の多い地域で、世界でも大きな紅茶の産地です。
4月から5月にかけて茶葉が多く収穫され、11月くらいまで長い時期にわたって収穫することができます。
半ばの7月頃に摘まれる茶葉が一番アッサムの独特な味わいがあり、濃い味がするので良いとされています。
時期によって区分分けされた名前があるのも特徴です。
例えば、4月~5月の初摘みの時期はファーストフラッシュと言われます。
その次の6月頃をセカンドフラッシュと言い、2番摘みのことを表しています。
7月~9月の時期はモンスーンティー。10月の11月はオータムナルという区分があります。
茶葉を購入する際の参考にしてみてくださいね。
ミルクティーとして飲まれることが多い
アッサムは濃い味に、濃い茶色の水色をしているので、ミルクとの相性がよいとされています。
そのため、ミルクティーとして飲まれることが多く、実はよく飲んでいる紅茶なのです。
濃い紅茶が好きという人は、アッサムティーが合うかもしれませんね♪
茶葉は黒みを帯びており、水色は赤色や赤褐色、濃い茶色と収穫する時期においても変わってきます。
最近は茶葉として販売されるのではなく、CTC茶という種類も登場しています。
CTC茶というのは、C(クラッシュ:押しつぶす)、T(ティア―:引き裂く)、C(カール:丸める)の
頭文字をとってできた名前であり、細かな粒上の茶葉のことを指しています。
普通の茶葉よりも成分が出やすいので、さらにミルクティーに合います。
現地のインドではチャイや料理などにも使われており、紅茶の利用の幅が広がる製法ですね。
アッサムとイギリスの関係

アッサムティーやミルクティーと聞くと、紳士的な男爵が飲んでいるイメージもあり、イギリスが発祥なのかなと思う人も多いようです。
実はイギリスとも関係があり、約150年前にインドに訪れたイギリス人ロバート・ブルースが、アッサムの茶葉を発見したことから、アッサムティーが始まりました。
当時は、茶葉は東洋にしかないと言われていたので、植民地であるインドで発見してからは、お茶作りがとても盛んになり、今では世界最大級の紅茶生産地となっているのです。
ダージリンとの違い
アッサムは、同じ紅茶であるダージリンとよく比較されています。
ダージリンもインドで収穫されている茶葉ですが、アッサムとは対極的な味をしているのが特徴です。
香りは強いのですが、味はあっさりしているのでダージリンはストレートティーに向いています。
反対に味が濃厚でどっしりとしたコクのあるアッサムは、ストレートではなくミルクティーに向いています。
ちなみにダージリンにミルクを入れて飲むと、少し渋みが残ることがあるようです。
一番の違いはミルクに合うかどうかというほど、味に違いがあるので、機会があるときには飲み比べしてみてくださいね。
アッサムの味~おいしい?まずい?

アッサムティーを飲んだことがない人も、味を忘れてしまった人も、どのような味がするか気になってきますね。
アッサムはどのような味がするのでしょうか?
アッサムはクセが少なく渋みも少ないので、飲みやすい紅茶です。
しかし、収穫される時期により濃い味が表に出てきます。
さらに、濃厚なコクが特徴なので、ミルクティーやチャイの紅茶として人気です。
また、上品な甘さがあるので、そのままストレートで飲んでも美味しくいただけます。
フルーティーさはあまりなく、香りは強く奥行きがあります。
実際に、アッサムを飲んだことがある人の意見や感想をみていきましょう。
・アッサムにミルクと蜂蜜を入れて飲むのが好き。
・香りが強くなくやわらかで、マイルドな口当たりが好き。
・アッサムにミルクを入れても、ミルクに負けないコクがあり、紅茶をしっかりと感じる。
・アッサムを飲んだ後の余韻が焼き芋に似ている。
・さっぱりと飲みたい時にはアッサムだとちょっと重い。
などの意見がありました。
アッサムが苦手やまずいといった意見はとても少なく、アッサムミルクティーやタピオカ入りが美味しいという感想が多く目立ちました。
これからアッサムを飲むときには、様々な意見も参考にしてみてくださいね。
アッサムの9つの効果と効能~ダイエットや便秘改善効果はどう?

アッサムにはタンニンが豊富で、アッサムサポニンンという成分やテアフラビンなどが含まれており、身体に様々なよい効果をもたらしてくれます。
詳しくご紹介してきますね。
しみやくすみを防ぐ効果がある
アッサムには、他の紅茶と比べると1.5倍ほどの量のタンニンが含まれています。
タンニンはポリフェノールの1種であり、紅茶や緑茶などの渋みのもとでもあり、鮮やかな色を出すために欠かせない成分でもあります。
ちなみに日本の玉露などは甘味が強く渋みが少ないのですが、栽培の途中で日光を遮り、タンニンの生成を抑えているので、渋みより甘味が強い特徴があります。
タンニンは、肌にメラニンが増殖したり沈着したりすることを抑える働きがあります。
そのため、女性の肌の悩みでもランキングが高い、シミやくすみを防ぐ効果が期待できるのです。
また、タンニンはたんぱく質と結合する働きがあり、たんぱく質を変性させます。
すると、組織を縮める収れん作用が働き、毛穴や皮脂腺を引き締める効果があります。
そのため毛穴が目立ちにくくなり、油っぽい肌の人にも効果があります。
タンニンは赤ワインにも多く含まれており、健康への効果が注目されている成分です。
むくみ対策&デトックス効果

タンニンは新陳代謝をよくする働きがあり、老廃物を身体の外に出す働きがあります。
そのため、身体に溜まった必要ない水分などが体外に出やすくなり、むくみ解消に繋がるのです。
またアッサムにはカフェインも含まれています。
カフェインの働きによって腎臓に作用し、利尿作用が促進されます。
血管を拡張する働きがあり腎血流が増加し、ナトリウムの再吸収を抑える働きがあります。
そのため尿の生成量が増え、排尿の回数や数が増えるのです。
尿の量が増えることで身体にたまっている老廃物を外に出すことができます。
そのため、むくみが解消され健康にもよいのです。
顔がむくみやすい、足がむくむという人は、食事の際にアッサムを飲んでみてはいかがでしょうか?
ただし、飲みすぎ(1日10杯など)てしまうと、利尿作用が働きすぎて、脱水症のリスクが高まることも考えられています。飲みすぎには注意して適度に楽しんでください。
下痢の緩和や改善効果がある

タンニンの収れん作用は、腸にも効果があり、腸の粘膜の痙攣を抑える作用があります。
そのため、ゆるい便が硬くなり下痢の緩和に繋がります。
個人差はありますが、よく下痢になる方はタンニンが含まれている緑茶や紅茶などを一緒に飲むことで、改善されることがあります。
虫歯や口臭の予防
タンニンには、ミュータンス菌の増殖を抑える働きもあります。
虫歯は、ミュースタンス菌が歯にくっつき酸を作り、歯の表面のエナメル質を溶かしてできます。
唾液などがとどまる夜の間に、ミュースタンス菌は増殖し、乾燥した口内でも増えていきます。
増殖を抑えることで、虫歯や菌からでる口臭の予防ができるのです。
食後や口の乾燥を感じたときなどに、タンニンを含む紅茶やお茶などを飲むことで効果が期待できます。
タンニンは、体臭を予防する効果もあることから、石鹸やシャンプーなどのデオドラント製品にも利用されており活用の幅が広いすごい成分です。
ダイエット効果が期待できる

アッサムにはカフェインがしっかり含まれています。
カフェインは、リパーゼの働きを促すので、体内の脂肪を燃焼しやすくなります。
そのため、運動前や食事前や食事中などに飲むことで、体内に脂肪がたまるのを防ぐことができるのです。
また、脂肪が体内に吸収されるのを抑制する働きももっているので、ダイエット中におすすめの飲み物です。
お茶に含まれているタンニンには、体内に取り込まれた脂肪を分解させずに、体外へ押し流す働きもあり、脂肪吸収を抑制する効果もあります。
カフェインとタンニンのパワーで、ダイエット効果が期待できる飲み物です。
便秘の予防・解消
カフェインには眠くならないという効果以外にも様々な作用があります。
そのひとつに、便秘の予防や解消に効果的であることが分かっています。
カフェインには、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促進させる働きがあります。
人間は胃に物が入ると、大腸の蠕動運動が働き、便が徐々に肛門に送られていきます。
しかし、便秘気味の際には蠕動運動が活発に行われていない場合もあるので、カフェインを摂取することで便の排出を助けることができるのです。
下痢の改善にもなりますが、便秘の予防もできるという両面の効能をもっています。
眠気すっきり効果

黒茶にはカフェインが含まれているので、眠気覚ましの効果もあります。
カフェインは、脳の中枢神経を興奮させる働きがあり、覚醒してくれます。
眠くなる原因は『アデノシン』という成分です。
カフェインはアデノシンの成分を阻害する働きを持っています。
そのため、夜に勉強に集中したいときやランチ後の眠気で仕事に集中できない時、運転中に眠くなった時などに飲むと、目がすっきりと冴える感じがあります。
カフェインは体に1時間かからない程度で吸収されるので、効果も早く出るのも特徴のひとつです。
血液サラサラ効果がある

アッサムにしか含まれていないアッサムサポニンという成分があります。
アッサムサポニンはタンニンと同じような渋みや苦みのもととなる成分です。
サポニンは血流の改善や活性酸素を除去する作用があります。
血中の悪玉コレステロールを減少する働きがあり、ドロドロの血液に血栓ができ血管が詰まるリスクを
軽減する効果が期待できるのです。
血液がさらさらになるだけでなく、生活習慣病予防にもなる素晴らしい効果です。
抗菌・抗ウイルス作用がある
紅茶に含まれている赤色の色素のひとつにテアフラビンという成分があり、アッサムにも多く含まれています。
テアフラビンには抗菌・抗ウイルス作用があり、活性酸素を除去することで生活習慣病に効くことが分かっています。
活性酸素はシミなどを起こす原因でもあり、アンチエイジングにも効果的です。
紅茶がインフルエンザウイルスに効果があることが近年発見され、2019年は特によく耳にしました。
紅茶のテアフラビンは、従来型や新型を問わず、全てのインフルエンザウイルスの感染力を失い、感染を阻止する予防の働きがあります。
そのため、紅茶でうがいするだけで、口内のウイルスを除去でき、感染を防ぐことができるとされています。
バイオメディカル研究所の中山博士の研究によると、10秒で99.99%のウイルスを無力化したことを報告しています。
インフルエンザウイルスだけでなく、他のウイルスにも作用することが分かってきているので、今後の研究にもアンテナをはっておきたいですね。
―参照 紅茶の抗インフルエンザ活性に注目集まる“テアフラビン”で感染拡大を阻止|食品産業新聞社ニュースウェブ公式サイトよりー
アッサムのカフェインはどれくらい?妊娠中の妊婦は飲んでも大丈夫?

妊娠中や授乳中の方、カフェインが苦手な方、夜のナイトティーとして飲む人などが気になるのは、アッサムに含まれているカフェインの量です。
特に妊娠初期のカフェインの過剰摂取は、流産のリスクが高まると注意喚起されていますね。
アッサムは濃厚な味わいと濃い色をしている分、カフェイン量も多いように感じます。
実際にどのくらいのカフェインが入っているのでしょうか。
アッサムのカフェイン量は100mlあたり35㎎ほどです。
ちなみにコーヒーには100mlあたり60㎎ほどと言われており、コーヒーよりは少ない量のカフェインが含まれています。
妊娠中には、1日当たりのカフェインの摂取目安量として100㎎とあります。
そのため、アッサム1杯150mlとしたときに2杯程度に抑えた方がよいと算出されます。
あくまでも目安量なのですが、少なくともカフェインが含まれているので、飲みすぎに注意して楽しんでくださいね。
最近は、カフェインが少ないアッサムも販売されているので、どうしても気になる方はカフェインレスやノンカフェインのアッサムを飲んでみてください。
アッサムのいれ方、作り方とおすすめの飲み方

アッサムの美味しい入れ方、そしておすすめの飲み方についてご紹介します。
ストレートティーの美味しい入れ方
アッサムのホットストレートティーの美味しい入れ方です。アイスでも美味しくいただけますよ。
1.ティーポットに沸騰したお湯を入れて、ポットを温めます。
2.別に水を沸騰させる間に、ポットのお湯をティーカップにいれてカップを温めます。
3.茶葉をポットに入れて、250㏄のお湯を注ぎ、ふたをして3分待ちます。
4.カップのお湯を捨てて、綺麗な布で軽くふきます。
5.ポットの茶葉を軽くスプーンでかき混ぜて、カップに注ぎます。
茶葉が気になるときには茶こしを使って注いでくださいね。
ミルクティーにする場合
アッサムにミルクをいれてミルクティーにする場合には、茶葉を蒸す時間をプラス1分ほど足しましょう。
ミルクにこだわるのであれば、低温殺菌のミルクの方が臭みもなく、よりおいしいミルクティーとなります。
煮だしミルクティーの作り方

1.鍋に作る予定の量の半分より少し多めの水を沸かします。
2.沸騰したら、アッサムの茶葉を小さじ1杯ほどいれて弱火で3分煮ます。
3.そこに作る予定の量の半分量のミルクを加えて弱火で煮て、沸騰前に火をとめます。
4.蓋をして3分ほど蒸らしましょう。
5.蓋を開けて茶こしで茶葉を取り除きながらカップに注いで出来上がりです。
茶葉はティーバッグタイプだと、茶葉が広がらず注ぎやすくなります。
フレッシュアップルティー
ミルクとの相性がよいアッサムですが、りんごやはちみつとも合うのでおすすめです。
<材料>
・りんご 2分の1個
・アッサム茶葉 8g
・お湯 600㏄
・はちみつ 適量
<作り方>
1.りんごは皮が付いたままでいちょう切りにします。
2.アッサムのストレートティーを作りましょう。
3.りんごをポットに入れて、沸騰したお湯をたっぷり注ぎ湯通しして、お湯を捨てます。
4.アッサムをポットに注いで、ポットをウォーマーにのせて30分ほど蒸らしましょう。
5.カップに注いではちみつをまぜて完成です。
アッサムは楽天やamazonで買える?おすすめ3選

アッサムはスーパーなどでも販売しており、手軽に楽しむことができる紅茶です。
しかし、欲しいメーカーの茶葉がないということもよく耳にします。
インターネットでもたくさんの種類のアッサムが販売されているので、ぜひ活用してみてくださいね。
クリッパー アッサムブレンド カフェインレス
有機アッサム茶葉の豊かな香りと味を残すために、天然の二酸化炭素と水を使い、カフェインを除去した紅茶です。
妊娠中の方やカフェインが苦手な人におすすめできるアッサムです。
クリッパーという会社は、イギリス市場にオーガニック紅茶を最初に紹介した会社のひとつです。
国際的な賞を数々受賞しており、オーガニックティーでは有名なブランドの会社となっています。
普通のアッサムに比べると少しパンチが弱いかもしれませんが、アッサムの香りや味をしっかりと楽しむことができ、授乳の人や妊娠中のママに人気の紅茶です。
詳しくはこちらからどうぞ。
サー・トーマス・リプトンリーフティー アッサム 220g
黒い缶と金色の蓋、青い文字が特徴のリプトンのアッサム茶葉です。
ロイヤルミルクティーが作りやすく、じっくり自宅でアッサムを楽しんでいる人に人気の商品です。
リプトンは他にもダージリンやアールグレイなどの茶葉もあり、飲み比べするにもおすすめのメーカー。
日常使いにもおすすめで、これなしでは朝が始まらないというレビューもありました。
コスパも良く、味も美味しいと人気の高いアッサムです。
詳しくはこちらからどうぞ。
トワイニング ティーバッグゴールデンアッサム
ティーバッグタイプではこちらのトワイニングのアッサムが人気です。
トワイニングは世界中から茶葉を選び、熟練のバイヤーによって選び抜かれた茶葉をつかっています。
現在はロンドンでも店舗営業しており、本格的なアッサムを楽しむことができるでしょう。
原産はインド、販売は日本で、明るい鮮やかな赤の水色をしています。
日本のスーパーではあまり見かけないので、ネットで買っている人が多いようです。
ミルクティーにも合う濃い味わいで、他の商品より水っぽくないと評判です。
他にもトワイニングのオレンジペコも人気の商品のようですよ♪
詳しくはこちらからどうぞ。
まとめ

アッサムはミルクティーなどでよく使われている紅茶の種類で、他の紅茶に比べると味わいが濃く、どっしりとしたコクがあり、癖の少ない味です。
タンニンやテアフラビンなども多く含むことから、健康や美容にも良い紅茶であり、インフルエンザなどのウイルスにも効果を発揮します。
普段の飲み物としても活躍する紅茶ですので、ぜひ味わってみてくださいね。